蒼く……碧く…ただ、青く。

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その晩、いつも通り祈りを捧げた女は床に就いた。 焚いた香の匂いが御簾の中に充満し、梅雨で重くなった空気がどんよりと漂う夜で、風はなく、四方いずれからも聞こえる雨音がこの部屋を外界から切り離してしまったのではないかと思えるほどに―― 静かなのだ。
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