恥ずかしがり屋のお姫様

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「…さぁな」 優斗は少し何かを考えた後、表情を変えずにさらりと言った。 元々人前ではあまり感情を表に出す奴ではないけれど、瑠華と付き合い始めてからは少しずつ変わってきている。 だから、全く表情を変えないのは逆に何だか怪しい。 長年の付き合いから何かを感じた俺は、少し眉を寄せて優斗を見た。 「お前、何かわかってるだろ?」 そう、少し詰めよりながら聞くと、優斗はフッと悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「あぁ。だけど、教えてやんない」 小さい子供ならこの後に"ベーッ"と言いながら舌を出しそうなほど面白そうに言った。 「優斗…お前…」 思わず顔を引きつらせながら言うと、優斗はスッと真面目な表情に戻って言葉を重ねてきた。 「まぁ面白がってるのは半分冗談だよ。こういうのは、本人同士で確かめ合った方が良いだろ?」 "半分は本気なのかよ"と思いながらも、正しい意見を言ってくる優斗に頷き、俺は窓際で瑠華と話している絵梨香を見つめた。 .
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