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｢綾人も優斗も、ﾎﾞﾃﾞｨｰｶﾞｰﾄﾞって何かわかるか?｣
｢自分の主人を体を張って守る人…だよね?お父さんにとっては、龍さんがそうでしょ?｣
｢そうだよ｣
お父さんは、今度は不思議そうな表情を浮かべたまま言った綾兄の頭を撫でながら笑顔で頷いた。
｢それがどうしたの?｣
そう聞くと、お父さんは僕を竜也君前に降ろして、綾兄と凜さん、僕と竜也君が向き合うようにして立たせた。
｢この子が、将来お前のﾎﾞﾃﾞｨｰｶﾞｰﾄﾞになる人だよ｣
｢え…?｣
突然のことに、僕は小さくそう呟くことしか出来なかった。
｢よろしくお願いします。優斗様｣
そう、竜也君が言った瞬間、僕の中で何かが崩れた。
｢優斗!?｣
お父さんの驚く声が聞こえたけれど、僕は構わず走って部屋を飛び出した。
竜也君だけはいつも僕を特別扱いせずに対等に見てくれてたから、もっと仲良くなりたいって思ってたのに…
"よろしくお願いします。優斗様"
さっきの竜也君の言葉が、頭の中をｸﾞﾙｸﾞﾙ回って僕の胸を締め付けた。
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