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やっぱり僕を見てくれる人なんて居ないんだ。
"西山財閥の御曹司"じゃなくて、
"西山優斗"として僕を見てくれる人…
僕は自分の部屋へ戻り、ベッドの上で膝を抱えて溢れそうになる涙を堪えていた。
―コンコン―
静かな部屋に響いたドアをノックする音。
だけど、僕は口を開いたら堪えている涙が溢れてしまいそうで、ドアに背を向けたまま黙っていた。
「優斗様…?入りますね」
「なっ…」
"何で来るんだよっ!?"
思わずそう言いそうになったけれど、振り替えって竜也君の顔を見た瞬間再び込み上げてくる悲しさや寂しさに耐えきれず、僕は顔をそらして俯いた。
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