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「僕が優斗様のボディーガードになるの、そんなに嫌ですか?」
そう言った竜也君の声は、今まで聞いたこともないぐらい悲しそうだった。
だけど、僕はそれに気を遣うほど心に余裕なんてなくて、敬語を使われる度にさらに嫌な感情に迫られながら顔をそらしたままぶっきらぼうに答える。
「嫌だ。何で…何で竜也君なんだよ。。。」
「そっ…か。。。」
微かに聞こえた、独り言のように小さく呟いた声。
それは、さっき以上に悲しそうな、掠れて今にも泣き出しそうな声だった。
ハッとして顔を上げると、そこにはやっぱり竜也君の悲しそうな顔があって…
だけど、竜也君はすぐにニコッと笑い、少しずつ僕に近付いてきた。
「僕は、自分の主人になる人が友達で嬉しかったですけど…僕じゃ不安ですよね。でも、今はまだ弱いけど、必ず強くなりますから。だから、僕を認めて下さい。
…僕の家族は誰かを守るために居るから、そのご主人様に認めてもらえなかったら、何のためにいるのかわからなくなってしまいます。。。」
竜也君はずっと笑ってたけど、始めはニコッと笑っていたのに、最後には本当に悲しそうな笑顔に変わってしまった。
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