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違う。僕は君を傷付けたかったんじゃない。
ただ、悲しかったんだ…
だけど…
"友達"
そう言ってくれた竜也君の言葉が、本当に嬉しかった。
「ごめん。。。」
自分が言ってしまったことに対する後悔で泣きそうになりながらそう呟くと、竜也君は驚いた表情をした。
「何で、優斗様が謝るのですか…?」
その言葉にまた少し悲しくなりながらも、自分の気持ちをちゃんと伝えるために口を開く。
「竜也君が嫌なんじゃないよ…
ただ、悲しかったんだ。僕を"西山財閥の御曹司"じゃなくて、"西山優斗"として見てくれる友達は君だけだから…だから、竜也君に敬語で話されて、"優斗様"って呼ばれたときに、凄く悲しくて寂しかった」
そう言うと、竜也君は驚きと申し訳なさと、ほかにもいくつかの感情が混ざったような、複雑そうな表情になった。
それに構うことなく、僕は自分の中にうまれたこの感情を解決するために思い付いたことを提案するために、笑顔で言葉を続ける。
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