12人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「あの、えっとね、その……」
白銀の髪の女の子が顔を赤くして、俯きながら必死に何かをを伝えようとしているようだ。
それに対して、黒髪の男の子は不思議そうに首を傾げながら口を開く。
「さっちゃんどーしたの?顔赤いけど、だいじょーぶ?」
その言葉を聞くと女の子は勢いよく顔をあげ、両腕を顔の前でブンブンと勢いよく振りながら慌て答えようとする。
しかし、
言葉を続けられず、また俯いてしまう。
女の子が何も言わなくなって、どれくらいたったのだろうか?
ふと、優しい風が吹く。
女の子は不思議と落ち着きを取り戻し、言葉を少しずつ紡ぎだす。
「私ね……明日から遠いところに行くの……だから、お別れしなきゃいけないの……」
女の子の言葉に、男の子は恐る恐る口を開く。
「それ、ホントなの?」
その問いに、女の子は小さく頷いた。
「うん、それでね、お願いがあるの」
「お願い?僕に出来ること?」
女の子は弱々しく横に首を振りながら話を進める。
最初のコメントを投稿しよう!