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お静は一つ、恥ずかしめを耐え抜いた。
しかし、鳳珠の前で崩れ落ちたお静の姿もまた、美麗な美しさをかもし出していた。
鳳珠は両手に残った温もりを見定めながら、初めて女をこの手で落としたという征服感に浸っている。
次はどんな手段で落としてみせようか…
鳳珠の頭の中は、次なるいたぶり方を考えるほどの始末である。
全裸の美女を前にして、仁王立ちする鳳珠の股下は、邪念の陰に囁かれ、袴の上からでも分かるほど頼もしく屹立していたのである。
鳳珠「今度はどうしてやろうか…」
鳳珠はお静の髪を掴み、潤い溢れるお静の赤い唇を見つめた…
空の色が紅へと変わる頃、一足急ぐお紅と長谷川は、早くも祟山のすぐ麓へたどり着いていた。
お紅「間違いなく、この辺りに居ると思うんだけど…」
幻之丞とお涼が残した刀傷を頼りに、二人はまだ山中に居た。
長谷川もすでに道標(めじるし)に気付いたらしく、困り果てるお紅にこう言った。
長谷川「こちらには刀傷は残っておらぬが…。まさか!祟山か」
長谷川とて祟山の言い伝えは知っていた。
お紅と長谷川が見据えるその先は、飄々とそびえ立つ伏魔殿のその山であった。
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