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お静「貴方はあの時の…!私を騙したのね!」
白い歯をむき出しにして鳳珠を睨み付けるお静の瞳は、涙ながらに怒りを訴えていた。
鳳珠「動くでない。君が闇華と知っていたからそうしたまでの事…」
お静「貴方まさか!孔雀丸とかという者の…」
鳳珠「呼び捨てにしないで欲しいな。ああ、見えても僕の頭目なんでね」
お静「何が望みなの…」
鳳珠は立ち上がり、お静を見下してこう言った。
鳳珠「簡単な事だ。君が使う忍法を知りたい」
お静「ならば自分で試してみたら」
鳳珠「そうはいかない。そんな事を言って、縄を外してもらおうなんて無駄ですから…」
お静「誰が教えるもんですか!」
鳳珠「そうかい。どうしても教えないと言うのなら…」
鳳珠は不気味な笑みを浮かべて、お静の背後にゆっくりと回り込んだのである。
鳳珠「殺さぬよう命じられてますから優しくしましょう…。傷付ける事は僕の趣味じゃないんでね」
お静「何をするの!?」
鳳珠「ちょっとした拷問さ…。耐えられるかな?」
この時、背後より鳳珠の両手が伸びてきた。
お静「…!」
しかと目を瞑り身構えるお静…それは全身が強ばり、力んでいるのが伝わってくる。
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