第七話 隠忍自重

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お静「えっ…!?」 鳳珠の手はお静の肌に優しく触れた。   お静は叩き打ちか縛り上げられると思っていたが、鳳珠がとった行動は擽(くすぐ)り責めであった。   いかにも鳳珠らしい責め方である。 鳳珠「いつまで耐えられるかな?」 淫靡な笑みを浮かべながら、鳳珠はお静の至るところをこそばゆく感じるよう刺激していく。   それはお静の肌の温もりを堪能しているかのような動きにも見えた。 それもそのはず、露になった美しい白肌を鳳珠は何の気なしに触ることが出来ていたからである。   お静「はっ、う…」 鳳珠「これでもまだ語らぬか!」 お静「うっ…」 お静が時折漏らす耐え忍ぶ吐息に鳳珠は息を荒くしながら、いつまでも責め続けた。   一見たわいもない悪戯に見えるが、拷問の中でも叩き打ちや水責めに続き、これは実際に存在した折檻であった。これがまた思いもよらず苦痛を伴い、お静は失神したのである。 お静「はぁぁぁ!」   鳳珠「落ちた…か」 正面に回り込んだ鳳珠は、崩れ落ちたお静を勝ち誇ったかのように見定めた。   鳳珠は偶然にも背後より責めたてたため、お静の忍法「裂砕牙(れっさいが)」の餌食にならずにすんだのだ。
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