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マンドラゴラの木
ミナに抱かれながら目が覚めた。
「あ、なにが起きた?」
ミナは涙を流している。
「すまない。シンを巻き込むつもりはなかったのだが…」
「コボル、俺の体どうなった?」
「私のマテリアルで修復した」
ゆっくり座り込んでみると、服のほとんどが焼け落ちていたが、体は以前のままだった。
「なんだ、夢か?」
「いや、現実だ。今、シンの体の60パーセントは、私のマテリアルでの複製だ」
「なんだって?」
「すまない、君はミナと同じ不死の体になってしまった」
どういうことだ?
事態が飲み込めない。
チェイサーに破壊された体をコボルが自分のマテリアルを使って修復してくれたと言うのか?
不死の体?
俺の体はそのままじゃないか。
「まて、ミナは不死だと言うのか?」
「君達の時間の観念から言えば、そうだ」
ミナを見た。
泣きじゃくったのか、目の回りが赤い。
「私は…」
「シン、すまない、私はマテリアルを使いすぎたようだ、しばらくマテリアルの回復まで機能を停止する。ミナを頼めるか?」
「おい、コボル」
「すまない」
そう言うと、コボルは小さな黒い球体になった。
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