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「良かった、シンが死んじゃったらどうしようって思った」
不死ってどういうことだ?
「とりあえず、アパートに戻ろう。ここは危ない気がする」
話ている間に、焼けた壁から気配がした。
チェイサーの足の一本が壁から現れた。
「マズい」
コボルとミナの腕を掴む頃には、チェイサーは、こちらに向かっていた。
ミナを庇い、チェイサーの腕が振りおろされてくるのを、左腕で止めようとする。
腕なんか役にもたたないのに、
そう思っていたのに、ガツンと止めてしまった。
そのまま、右手で殴ってみると、チェイサーが吹っ飛んだ。
「な、なんだぁ?」
両手は黒いガードになっていて、表面は鉄より固くなっていた。
チェイサーには私の拳のあとがくっきり残るほどへこんでいた。
「コボル」
コボルは小さな黒い球体のままだった。
つまり、私の中のコボルのマテリアルが変質した?
チェイサーは起き上がり、上部のひさしのところから、あの小さな金属の物体を打った。
右手で煽り、縮みあがりながら、止まれと願った。
右手の手のひらから黒い光の玉が出て、金属を包んで、止まった。
金属の回りの時間を止めた?
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