3人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
あれから、どれだけ時間がたったのだろうか…
辺りはすっかり闇に包まれて、焚き火の火も小さくなっていた。
集めた枯れ枝もすべて火にくべてしまった。
再び枯れ枝を探して森をさ迷う。
もう手を伸ばした指先が見えなくなるほど闇が広がっている。
怖い…。
けれど、誰かが助けてくれるなどという希望は半ば諦めていた。
絶望が足を重くする。
何かから隠れるかのように身を縮め、僕はただ前へ歩を進める。
サクサクと雪を踏む音だけが辺りに響く。
木々の枝が揺れる音も、獣達の声すらも…聞こえない。
まるで時間が止まっているかのようだ。
いよいよ、枯れ枝が集まりかけた時、小さな小さな音を聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!