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誰かの泣き声だった。
水面が反響がするかのような
降り続く粉雪の結晶のような…微かなソプラノの音色だ。
不思議に恐怖はなく引き寄せられるように、泣き声の音を辿った。
そこには、僕と同じ位の年頃の少女がうずくまっていた。
絹のような長い黒髪
白い雪のような肌
桃の果実を思わせるような頬
そして、およそこの場所にそぐわない、高貴な純白の装い。
物語に出てくる妖精の姫君のような、彼女の持つ不思議な光に僕はしばらく瞬きすら忘れた。
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