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「あ~あ、やられちった」
繁華街の近くにあるゲームショップの店頭で、最新ゲームのお試しプレイをしていた少年が呟いた。
「次一緒にやろうや」
隣でみていたもう一人の少年がコントローラーを手に取り、慣れた手つきで操作していく。ゲーム画面に大きく、
【ステージ1】
と表示された。
さっきの危なげなプレイとは違い、協力プレイでサクサクと進んでいく。
私はその場を離れた。
暇潰しのために5分は見ていただろうか。さすがに飽きてきた。
美麗ムービーがみれるゲームなら飽きもしないが、小さなロボットを操作して敵を倒しながら進む、いわゆるアクションゲームだ。
ルールも知らなければ、何が楽しいのかもよく分からないジャンルにはあまり興味ない。
ユカリはアクションゲームが苦手だった。
操作が複雑なゲームは何をやってもうまく出来なかった。
暇潰しにしては幾らなんでも選択を間違えた気がする。
(スタボでも行くかな…)
歓声をあげながらゲームに熱中する少年達を横目に、ユカリは歩き出した。
(はー…暇だなあ)
また、溜め息をついた。
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