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今日は何を頼もうかな…
新メニューとかないかなあ…
ユカリはいつも帰りによるスターボックスカフェのドアを勢いよく開けた。相変わらず店内は混んでいる。
席が空いているかどうか視線をさ迷わせながらカウンターに近づいた。
(おっと……)
カウンターの前にいた人とぶつかりそうになる。目の前に壁のような背中がせまっていた。
(でっか……)
見上げるほど背が高い人物が注文をしているところだった。
「エスプレ、1つ。」
低くてきれいな声が耳をくすぐる。
思わず見上げると、すらっとした鼻筋とピンク色の唇が見えた。髪は少し長めでツンツンはねているので隠れていて顔の全体は良く見えない。
が。
(おしゃれな男の子だなあ…)と思った。
細身で長身、ラフに崩した制服が嫌味なくマッチしていた。
ベルトにはクロナのチェーンをつけ、腕にはミサンナのブレス、カバンも学校指定とは違うが、似たようなデザインのを改良して脇に抱えている。なのにチャラチャラした印象は受けなかった。
「お待たせしました。
お次のお客様・・・」
「!」
店員の声で我に返る。
やだ・・・
ぼーっとしてた。
急いでメニューに目を落とす。
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