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念のため、もう一度店内を見回してみた。
空いてないか……
ふと、デカ眼鏡君と目があった。
あいつのせいで…
ユカリはぷくっと頬を膨らました。無意識にやっているクセである。
そのクセを自覚していないため、不機嫌を隠しもしないユカリを見て、またクスクス笑ったデカ眼鏡君に更に腹を立てた。
あいつムカつく~!
ユカリがキッと睨み付けようと力を込めた時、デカ眼鏡君はちょいちょい、と手招きしだした。
な、な、な、
ケンカ売ろうての…!
ユカリは頭に血が昇っているので、それ以外に考えが浮かばない。他に何があるというのか。
それこそ絵に書いたように、プンプン怒りながらデカ眼鏡君に近づいた。
「席を探してるんですよね」
意外にも、馴れ馴れしくない態度を取られてユカリは拍子ぬけた。
コクッと頷く。
「前の席空いてるので。相席が嫌でなかったら、どうぞ」
デカ眼鏡君はそういうと、すぐに携帯に視線を戻した。
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