応用よりも、基礎!!

2/2
前へ
/43ページ
次へ
あなたはジャズの即興演奏、いわゆるジャムセッションを鑑賞したことがありますか? オーケストラのシンフォニーが計算された秩序ある世界なら、ジャムセッションは感性のぶつかり合いと言えます。 楽譜通りに弾くよりも、如何にして自分の世界を表現するかというところに主眼が置かれます。 それゆえに、全体としてどんな音楽になるのかは、その時になってみないとわからないというアドリブの世界になり、それが聴衆に感動を与えるのです。 ここで興味深いのは、アドリブは、基本をしっかりマスターしたうえで行えるということです。 一流のジャズピアニストはオーケストラでも立派に演奏ができますし、抽象画で有名な天才画家のピカソは驚異的なデッサン力を持っていたと言われています。 このように、芸術に限らず、すべての分野で基礎力や基本のないところに応用はなし得ません。 この当たり前のことが、理解されないことがたくさんあります。 私たちはともすれば、早く結果を出したい、早く舞台に上がりたいとばかり願いがちです。 しかし花は枝に咲き、枝は幹に支えられ、幹は目に見えない根に支えられています。 見えない根に関心を持ち、根を深く、強靭にすることが、すべてにおいて良き結果をもたらす道なのです。 現代はあまりにも結果を急ぎ過ぎるため、根が弱く、時には枝に花だけがあって根がない場合もあります。 その木は、当然、遅かれ早かれ、枯れることになります。 仮に、今年は花が咲かず、実を結ばなくても、根があれば命がありますから、やがて実を結ぶ時が来ることを期待できます。 大切なのは、長期的な視点に立ち、常に根を養う、すなわち、日々の小さな出来事をも、忠実に為していくことではないでしょうか? あなたが今、早く結果を出したいと願っているのは、どんなことですか? あなたにとって、「根を養う」、「根を強靭にする」とは何を意味しますか? 目先の利益や損得勘定に囚われ過ぎることなく、真に大切なものにフォーカスして、豊かな実を結ぶあなたでありますように!
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加