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スザクが僕の手を握って走った。
こんなに暗いのによく走れるな。
僕だけだったら絶対に迷いそうになりそうだった。
スザクが急に立ち止まった。
前から男達が現れたからだ。
「お前達だな。ルルーシュを誘拐したのは」
そう言ってスザクは木刀を構えた。
男達が容赦なく襲い掛かるがスザクは次々と倒した。
僕は見ることしか出来なくてただ呆然とスザクを見ていた。
その時、背後から羽交い締めにされた。
「ルルーシュ!!」
男は拳銃をルルーシュに向けた。
さすがのスザクも動けずにいた。
「逃げろ。スザク!」
「お前を置いて逃げるわけないだろ!!」
俺はルルーシュを助けるためにここまで来たんだ。
一人だけのこのこと帰るわけないだろう。
俺はおもいっきり木刀を投げた。
男に命中しルルーシュごと倒れた。
「大丈夫か。ルルーシュ」
そう言って手を差し延べた。
「もう少しで僕に当たるところだったじゃないか。君は乱暴すぎるよ」
ルルーシュはスザクに起こしてもらい、服に付いた土を掃った。
「ごめん。ルルー…………」
そこで言葉が途切れてしまった。
なぜならルルーシュが俺にキスをしてきたからだ。
暗くてもこれだけ接近していればルルーシュの顔がよく見えた。
「ルルーシュ………」
「か、勘違いするなよ。これはお礼のキスだからな!」
俺は不覚にも笑ってしまった。
それはルルーシュの顔とセリフが一致してないからだった。
そんなに顔を真っ赤にされてしまってはこっちはどうしていいかわからない。
「いつまで笑ってるんだ。スザク」
「ごめん。ごめん。ルルーシュがあまりにも可愛かったからさ」
「ばっ、ばか!!」
ルルーシュはズカズカと歩き出した。
「待ってよ。ルルーシュ」
「早く帰るぞ。ナナリーが心配してるだろうし」
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