暗い部屋の中で、(悲)

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破裂する涙腺が ずっとつづくのでないならば 私はあなたを忘れれるわ 『暗い部屋の中で、』 バタバタと家に入った瞬間に、靴を乱暴に脱ぎ捨てて階段を掛け上がった。髪の毛が乱れてくのが分かる。でも今は、そんな身振りを気にしてられない。  「おかえ、うわっ!」 話しかけようとするお兄ちゃんを思いきり壁に飛ばして、自分の部屋に入った。 涙は見られただろうか。そんなことはどうでもよくって。明日、どんな顔して会ったらいいかとか、気まずくなったらどうしようとか、そんなこともどうでもよかった。 ただ泣きたかった。 思いっ切り泣いて、死ぬほど泣いて、壊れるぐらいに泣いちゃって。この気持ちを楽にしたかった。なんとなく、フラれることは分かってたのに、実際に言われるのと想像するのとでは違いすぎた。  「ひっ…くっ…」 積もり積もった想いは止まることを知らなかった。ホントはうそ。想像はしていた。けど期待していないといえばうそになってしまう。君の言葉に、君の行動に、少しだけ期待していたんだ。きっと、緩んでいた気持ち。 好き 好き 好き 違う人を見ていることは知っていた。でも、私に向けてくれる笑顔はあまりにも輝いていて。眩しくて。もしかしたら、って思ってた。 「馬鹿だな」と、昔の自分に言いたい。  「ふっ…く…っ」 こんな思いするのは、私だけでいい。こんな苦くて、辛くて悲しくて涙ばっかり出てくるような気持ちなんて。どうか―君はしないでいて。明るい笑顔を、どうか失わないで。お願いだから、私だけにして。 せめて 君の恋は、叶いますように。 ひとり部屋で そっと呟いた ―end―
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