それぞれの部屋で

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「いやぁうまかったなぁ!」 「そうだな、あんなにぎやかな食事は初めてだよ」 ディエゴが二人に用意してくれた部屋へと行き、大きなベッドの上でくつろぐ。 「普段からあんな感じなんだろうなきっと。ディエゴさんそのままだよな、豪華で豪快!」 「そうそう、しかも人を引き付けるのがうまいから、気付くとあの人の話に聴き入ってるんだよな……使用人にも話ふったりして対等に接してたし、普通はもっと距離とるんだろうけど、ディエゴさんの性格出てるよな」 二人は並べられたベッドへとそれぞれ倒れ込み、なんとなく天井を見つめる。 「なぁ、ナッシュ……」 「うん?」 「自分が何者かなんて考えんのよせよ」 「……わるい。ちょっと一瞬…な」 「俺らは自分の親も知らねぇし、なんか秘密にされてることもいっぱいある。 でも別にいいじゃねぇか。親もなしに人に作られたわけじゃねぇ、ちゃんと親がいて母ちゃんから生まれて来てんだ。自分にどんな秘密があろうと、どんな力があろうとみんなとなんも変わんねぇよ」 「あぁ、わかってる……大丈夫だよ」 「ならいいんだけどよ……お前にはミレイだっているだろ?」 「なっ!なんでミレイがでてくんだよ!?」
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