文化祭タッグマッチ

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《今日は両親とも帰ってこねーし、俺も打ち上げで遅くなるから、泊めといてな!そんじゃ任せたぜ!》 「ちょ、ちょっと、来斗くん!?」 彼がそう言うと、通話が終了する。 「……ただいま」 あのまま美月の家の前に立ち続けるわけにもいかないので、俺は我が家に帰宅する。 もちろん美月は、来斗くんに言われた通り我が家に泊めるため、背中に乗せたままである。 「おかえり……」 珍しく母さんが玄関に登場。 いや、しかし本当に珍しい。 「……って、珠浩だよね?」 「何言ってんの?」 母さんは見るからに驚いている。 そういえば、執事服は脱いだけど、俺はまだ鵜関マジックかかったままだ。 「……別人かと思ったわよ。どこのイケメンさんかな、って思ったけど、よく見たら珠浩だし」 まぁ、もうこの反応には慣れっこだ。 今日何回驚かれたんだろ。 でも、さすがはマイマザー。ちゃんと俺だって事は分かったんだ。 母親の名は伊達じゃないという事か。 「しかし、貴方もやるようになったわね。女の子を持って帰るなんて」 「いや……そういう事じゃないから」 なんてことだ! 母さんのノリが、鵜関のそれとシンクロしてしまっている! 「じゃあどういう事よ…………って、それ、美月ちゃん?」 「………え?そ、そうだけど? 彼女間違えて酒飲んで寝ちゃったから、家に届けてあげようと思ったんだけど、家開いてなくってさ」 母さんは何故美月の事を知っているんだ? そういえば昔、美月の話したときも、彼女の事知ってたな。 「ふーん。貴方が彼女をまた選んだわけだから、私は何も口出ししない……」 母さんの態度が一変し、とても冷たくなる。 そうだ、前回も母さんが美月の事を話した時は雰囲気が変わっている。 しかも、また選んだってどう意味だ? そしてそれだけ言うと母さんは俺達に背を向け、立ち去った。 が、途中で何かを思いだしたのか、立ち止まり、振り返える。 「あ、そうだ。責任とるんだったらつけなくてもいいけど、もしするんだったら、装着する事をおすすめするわ」 「な、何言ってんだよ!」 わざわざ立ち止まって言う事でもないだろそれ!
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