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何だかんだで気にいってるのだ。
このゆったりした心地よい場所が……
癒されるといえばいいだろうか。
澄んだ空気に小鳥のさえずりが心を落ち着かせる。
それは田舎でしか味わえないものだと思う。その点都会はストレスが溜まりやすい場所だといっていいだろう。
よく都会人が田舎に移ったりする。
それらはきっと癒やしを求めてきたに違いない。
ストレスに耐えきれずに田舎を求めた。それか純粋に田舎という所に心を打たれたかのどちらか。
暁人さんはどっちだろう?
多分前者かもしれない。でもよく最近遠くまで散歩もしたりするから少しでも田舎を気にいってくれているのかな。
何も聞けずに、そんな事を一人考えながら私は家を出て当たり前のように隣家へ向かった。
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「暁人さん!」
「おや、いらっしゃい“美帆”ちゃん」
穏やかな声と優しい笑顔で暁人さんは出迎えてくれる。
暁人さんは仕事中だった。原稿用紙に今度出す本を執筆中だったのだ。
だけど、私はふと足元を見る。
畳の上には沢山のくしゃくしゃに丸められた原稿用紙が落ちていた。
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