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――まさか、鈴城くんと名前の字まで同じだとは思わなかった。
「拓夢くん……」
先程メールの相手に許可を求めた呼び名を、実際に口にしてみる。
「……む、ムリムリムリッ! いきなり下の名前だなんて、鈴城くんもひいちゃうよ~……」
顔が熱くなるのがわかり、きっと今の自分の顔は真っ赤なのだろうと予想する。名前を呼ぶことがこんなにも恥ずかしいだなんて……。
「はあ……この拓夢くんみたいに、鈴城くんが紗英って呼んでくれたら……」
きっと、恥ずかしくて嬉しくて、死んでしまうかもしれない。
「……拓夢くん……」
やっぱり顔が熱くなるのを感じながら、紗英は
【件名:Re:Re:Re:Re:
本文:はいっ!それではまた明日メールするかもしれません(>д<)いきなりの見知らぬメールに返信してくれてありがとうございました!おやすみなさいzZZ】
と返信し、ケータイを胸に抱いたまま眠りについたのだった。
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