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まさか、こんな風になっていたなんて…。
私が住んでた頃は緑豊かで都心とまでは言わないけど、まぁまぁ栄えてた。
それが跡形も無い。
「何があったの…?」
私は半壊した元我が家の中へ。
「うわぁ…。」
所々、穴が空いたり物が散乱してて危ない。
「あ…。」
懐かしい。
家の柱の傷。
これは母さんと父さんが、私の成長を喜んで背丈を彫った物。
まだ残ってたんだ。
柱の傷を触ってから、ふと視線を角の方に向ける。
すると
「あれ?」
見に覚えのない染みが。
「錆(さび)?」
それとも黴(かび)?
クンクン臭いを嗅いでみる。
「何だろう?」
錆臭い様で黴臭い。
まぁ…これだけ壊れ、埃(ほこり)も溜まってるんだ。
元の臭いが分かる訳ないか。
「…しょうがない。」
私は家を出て、車を停めた場所へと歩みを進めた。
「ちょっと、この村に何の用だ?」
後数センチで車に着くと言う時、誰かに呼び止められ私は振り返った。
「?」
そこには一人の年老いた男性。
見覚えはない。
「あんた、この村に何しに来たか?」
「…あ、えっと…昔ここに住んでたんです。」
「ここにか?」
「えぇ…。」
この私の言った言葉に
「馬鹿な!!」
大きく目を見開いて老人は驚く。
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