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お昼には、街へ出て目一杯買い物をした。
足が痛くなってきた夜には、いくつもの紙袋やショップ袋を抱えていて、
これでは移動も大変だからと、沙織の家に一度荷物を置きに戻った。
化粧などを少し直すと、もう一度街へ繰り出した。
時刻は23時。
イサトは、ホストだ。
イサトが働いているお店は、深夜1時からオープンらしい。
だからまだ、時間が余っていた。
「カラオケでも行く~?」
『だねぇっ♪』
私達は街にある大きなカラオケ店に向かって歩き出した。
(ちょっと寒いかも…。)
季節は冬に入ったばかり。
寒がりの私は、バッグにかけていたストールを、マフラーの様に首周りにかけた。
そのすぐ後だった。
「そのマフラー可愛いっすねえっ♪」
スーツを着た“あからさまにホスト”って感じの男が、突然声をかけてきた。
一瞬だけソイツに視線を送り、すぐに沙織へと視線を移し、無視してソイツの横を通り過ぎた。
「ねぇどこ行くのー?」
けれどソイツは、ウザったく着いてくる。
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