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痛い…痛い、体中が軋むように痛い…
好奇心からだった。
いや、少年なら誰しも憧れる冒険。
10年前、田舎の父の実家へ遊びにきていた俺、渡瀬 望は何を思ったのか森の中を一人探検した。
子供は誰しも好奇心旺盛だ。
誰かが止めようとしても止められない。
子供は無邪気で素直で、そして我が侭だ。
一度決めたら最後まで実行する頑固さ。
森は危険なもの。
迷えば最悪には二度と出られない。
それを知ってか知らずか、幼い俺は森の中へ入った。
そして冒険を一人楽しんだ。
しかし次第に森は暗闇に包まれ、俺は何も明るいものを持たないまま迷子になってしまう。
無闇に歩いたら危険なものを俺は来た道を引き返し、歩いた。
『うわぁっ』
そして落ちてしまった。
崖から…
崖といってもそれ程高くはなかった。
建物の階で表すとほんの二階の高さ。
『っっ!?』
足を滑らせて強く背中を打つ。
ゴツゴツした岩肌が俺の体を打撃した。
足も痛め、暗闇の中で微かな血の臭いが鼻をつく。
どこか出血したのだろう。
それは足か、それとも別の場所か…
とにかく背中を強く打ってしまったせいか声も出なければ体も起き上がれない状態だった。
正直打ちどころがやばかったらしくてピンチな状態…
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