俺を呼ぶ声

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腹が満たされればまた暇になる。 夜間の狩りも良いかもしれないが今日は疲れたためそれはしない。 面倒だし。 魔物にも夜行性はいる。 そういう奴らは月の光を浴びて力を増している。 昼間活動している魔物より賞金が高いものが多い。 もちろんその分危険も多いわけだが… ――…た……、…………て…―― 「……?」 今風に乗って声が聞こえた気がした。 気のせいか… ――…す…け……て……、……だ…し……て……―― 助けて? 出して? 何処かに閉じ込められているのか。 こんな森の奥に? 「……、…………」 零也はニィと笑い、剣と『石』を入れた袋、そして最低限の荷物を手にとり立ち上がった。 暇潰しを見つけた。 まだ完全に日が沈むにはもう少し時間がある。 疲れや面倒、といった気持ちよりも好奇心が勝った。 これが頭の回る魔物の罠だとすれば仕留めれば良い話。 零也は火を消してから声が聞こえた方へと再び歩き出した。
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