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そう言うと大貴はにかっと笑った。
その眩しい笑顔にどう反応をすればいいかわからなく誠は困惑してしまう。
誠は苦手だった。
大貴の眩しさが、明るさが……
自分は影だ。大貴の影。
根暗な自分と違いどこまでも己の道を突き進む大貴は光。
眩しく輝く大貴は苦手だが、誠はそんな大貴を羨ましく思い、同時にそんな彼の側に自分がいる事に優越を感じていた。
「俺は……適当に人生送るからいい。大学に入るのか、就職するのか、それとも何もしない人生を過ごすのかわからない。でもどっちにしても俺は俺だし、きっと今までと変わらない人生だと思うから、適当に過ごすよ」
「相変わらずだな誠」
大貴は苦笑いを浮かべる。
「適当に過ごすとか今までと変わらない人生とかいうなよ。悲しいぜそれ」
「別にそんな事…」
「あ、そうだ。彼女作れば変わるんじゃないか?よく言うだろ、恋人出来たら自分の人生が変わるって」
「……恋人は無理に作るものじゃない。それに俺は恋愛はごめんだ。興味ない」
「またか。何かトラウマでもあんのか?」
トラウマはない。
女が苦手とかそういうのもない。
ただ恋愛にのりきじゃないんだ。
それに……
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