それは突然だった

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「そんな女が彼女なら俺は別れるぜ」 「な…」 「俺は恋人も大事だと思うが友人をほっぽいてまで恋人と過ごすのは嫌いだ。自己中心的過ぎる」 「……」 「でもお前がそこまで言うならもう一緒に帰らないさ。これからは彼女と登下校する」 「あっ……」 自分が言ってしまった事に激しい後悔をする。 「………」 あぁきっと今自分の顔は歪んでいるな。 情けなく、惨めな顔を… 「なんてなっ」 「っ!?」 突然額に強い痛みが走った。俯いた顔を上げるとニヤッと笑みを浮かべた大貴がデコピンをする時の指の形をしている。 「例え誠に強く言われても、俺は友を優先するけどな」 「……」 額を押さえながら瞬きせず見上げる。 その顔は変わらず太陽のようで… 「だから、今までと変わらず、今日も帰ろうぜ」 手の届かない存在だなと思った… .
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