↓ 入学と依頼状 ↓

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「ん?あんた誰?」 光輝は自画自賛を遮られた為、 少し不機嫌気味に眉を傾けて言った。 かなり器の小さい理由だ。 声がした方を見ると、そこに座るのは、 天然の混じり気のない金色のロングヘアと 青い瞳、何やら気品さを持つ女子だった。 「どうも、ジーナ=クロスハートです。」 女子、ジーナは軽く頭を下げる。 「ども。て言うか、君、外人さん?」 「光輝、タメ口……!」 隼人は光輝の腕を掴み、小声で言った。 光輝は「タメ口が何?」と、首を傾げる。 それを見た隼人は呆れた様に首を振り、 つけ加えて言う。 「あの人、純血!」 あぁ……面倒臭いな、そういうの。 「あぁ。」と隼人の言葉に光輝は頷くが、 心の中では下らなさで不快になった。 純血。つまり、純粋な魔法血族の人。 元々この島国、“ジハート”には、 純粋な魔法は存在しなかった。 魔法の類いと言えば、 陰陽道や忍術、占いぐらい。 純粋な“魔法”と呼ぶものが 初めてジハートに伝来したのは、 未だこの国が忍術なんかで ポカスカやってた戦国時代だ。
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