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陰陽道や忍術よりも簡単で実用性のある
純粋な魔法はジハートの人々にとって
かなり便利なものだった。
純粋な魔法がジハートに伝来されてから、
ジハート独自の文化は純粋な魔法文化に
どんどん飲み込まれてしまった。
原始的な忍術などより便利な純粋の魔法が
世に普及するのは必然的だから。
だが、昔も今も変わらないのは
ジハートの人々と、純粋な魔法の血族、
“純血”との魔力の差だ。
ジハートの人々よりも純血の人々の方が、
魔法の歴史、生まれ持つ魔力が豊富。
そのため、昔から純血の人々の
社会的地位は高く、同級生と言えど、
タメ口は無礼とされているのだ。
メンドクセ……純血なんて呼び方、
ある意味“差別”じゃん。
「……あー、じゃあ貴女様はもしや、
ギルドに加入されてるのですかな?」
そう思うも隼人が目を光らせてるため、
光輝は不慣れな丁寧語で話した。
「え、えぇそうよ……。」
かなり不自然な光輝の敬語に、
ジーナは思わずたじろいだ。
「お前よくその丁寧語で
こんな高レベルな学校受かったな。
前期も後期も面接あっただろ?
あっ……!まさか賄賂(ワイロ)を!」
隼人は軽蔑する様な眼差しを光輝に注ぐ。
「いやいやいや、合法合法。
ギルドから推薦もらったから、
それのお陰かもな。」
光輝は今度は嘘もつかず話す事ができた。
推薦と言っても、形だけなのだが。
「それで……
どこのギルドに加入されてるのですか?」
教材に出てもいいぐらいの丁寧語で
そう言ったのは隼人だった。
待ってましたと言うかのように、
ジーナは微笑みながら答える。
「“黒翼の天使達”よ、ランクはB。」
「“黒翼の天使達”……!?」
「しかもランクB!!」
自慢気に言ったジーナに、
2人は目を丸くして驚愕した。
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