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“黒翼の天使達”。
ギルド名の通り、2対の黒い天使の翼を、
旗に掲げている世界最大のギルド。
組織の規模は世界中に何百と支部を置き、
何千、何万人の凄腕の賞金稼ぎ達を
抱え込んでいる。まるで軍隊並だ。
特に“三天使”と呼ばれる者は、
世界中にその名を轟かせている。
“三天使”とは、“黒翼の天使達”の中で
最も強いとされる、文字通り3人だけが
名乗る事の出来る称号である。
そして、ランクBは魔物退治、
討伐だけではなく、犯罪者などの
生身の人間を相手とする仕事を受けられる
賞金稼ぎが持つ位だ。
犯罪者には殺人犯、魔法使いもいるため、
仕事の難易度はその辺の警官の仕事や、
ランクCよりも更に難しくなっている。
「スゲー……
“黒翼の天使達”でランクBを取るって、
余程の実力ですよねえ……。」
驚きのあまり、隼人の声がかすれてる。
だが、光輝が驚いているのは
そんな理由じゃなかった。
この人、俺と同じギルドじゃん。
「それで、貴方はどこのギルドなの?」
ジーナは光輝に視線を戻して尋ねた。
光輝はギクリとして、冷や汗を流す。
さて、どうしよ。迂濶に答えられないな。
下手に同じギルドと言う事を明かすと
正体がバレっかも。
俺は“三天使”の1人、“雨天の天使”。
現に俺の白いレインコートには、
“三天使”だけが背負う事を許される
一対の黒い翼が描かれている。
ばれるとかなーり厄介だな。
知名度に比例して危険性もあるから。
……でも、下手に嘘をついて、
ギルドで会っちゃったら厄介だよな。
「俺もだよ、“黒翼の天使達”。」
光輝は結局本当の事を告げる事にした。
「えぇえ───!!」
隼人は思わず椅子から立ち上がり、
漫画で見た事ある様なポーズで
思い切り飛び退いた。
「いいなぁ!お前もか──」
「そこ、うるせえ。」
「あ、すいません。」
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