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「はい、了解しました。ではこれで失礼します。」
「うふふ、これからも家の娘をよろしくね」
「俺のような身分のものは彼女に釣り合いませんよ。それでは。」
リオナルクは苦笑いを浮かべ、ペコリとお辞儀して、屋敷の門のほうへ歩いていく。
「………リオナルク君。」
去るリオナルクをナタリアが引き止めた。その表情はどこか遠い目をしている。
「はい。何でしょう、レイムフィーリア夫人。」
リオナルクはゆっくりとナタリアに振り返った。
「………貴方は…剣を作ることはお好き?ご両親はお好き?」
ナタリアは淡々とした口調で質問した。
「はい。剣を作ることは好きです。そしてそれを行うことは自分の使命だと思います。…父さんと母さんは…えっと、ちゃんと好きですよ。」
リオナルクは一瞬考え込んだが、ナタリアの目を真っ直ぐ見つめ、はきはきと答えた。最後の言葉は少し照れながら。
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