バンパイア

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最終章の 幕が開いた おまえは 私の思わくどおり 満月の照らす明かりに導かれるかの如く その夜 私の前に再び 姿を現した そして 私に 自分の愚かさを詫び 私を 甘い蜜の中に引きいれんとした 愛など 今の私には泥水にもならぬ事とも知らずに 私が欲しいのは おまえの 澱んだ生き血‥ おまえの腐敗した肉‥ 呪われた魂‥ おまえへの強い愛が 苦しみへと変わり 憎しみとなった時 私は復讐を誓った 今日のこの時だけのために 私はこの世にとどまってきた さぁ 私にその身を委ねるがよい 私の中のバンパイアがその姿を現し おまえの喉元を 食いちぎって くれようぞ 私の怨念の強さを 思い知らせてやろうぞ 愛を 囁くがよい 無意味な 悍ましいほどの言葉を 私の血が 薄ら笑いを浮かべ 待ち兼ねていようぞ さぁ 言え 私を 愛してると‥ その時 私の復讐の幕がおり すべてが 終わる‥ 私の中の バンパイアの血が 土に帰り 静かに 眠りにつくだろう 次の獲物が この世に いでる その日まで 安らかに眠れ 私の 愛した人‥ おやすみ あなた 愛してる 永遠に‥
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