~第二章~ …月の映える夜空の下で

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◆◇◆◇―――… ??「あぁ、目が覚めたんですね。良かったです」 襖を開け、入ってきたのは腰までありそうな長い銀色の髪に、ブレザーの着ていて、ウサ耳のある少女だった。 ??「キミが治療してくれたのか?」 男は身体を起こしつつ、目の前のウサ耳少女に問い掛ける。 ??「いいえ、私ではなく師匠が。 あっ!申し遅れました。私、  鈴仙・優曇華院・イナバ  といいます。宜しくお願いしますね、えっと…」 ??「あぁ…俺の名前は 『天羽 翔龍』(あまばね しょうりゅう) …だ。好きに呼んでくれ。こちらこそ宜しく頼む」 鈴仙「はい、翔龍さん。そういえば、傷の具合はどうですか?」 そう言うと鈴仙は心配した目で翔龍をみる。 翔龍「(心配してくれてるのか?) あぁ…まだ少し痛むが、何も問題はない」 鈴仙「良かったぁ…一週間も眠ってたから、心配で…」 そう言うと鈴仙はほっと息を吐いた。 しかし、 翔龍「一週間?そんなにか…?」 鈴仙「はい…運ばれた時、かなり危険な状態でした。師匠が一人で治療しましたけど…」 そう言うと鈴仙はウサ耳が垂れ、落ち込んでしまった。 翔龍「そうか…だが、俺が寝てる時の世話役はお前だろう?」 鈴仙「…はい、そうです。本当に良かったです…」 心底安堵した声の鈴仙に、翔龍は、 グイッ! 鈴仙「えっ!?わぁ!!」 鈴仙の腕を掴み、思い切り引き寄せた。 その結果、鈴仙は必然的に翔龍に抱きつく形になる。 鈴仙「えっ…ふぇぇぇ!////」 翔龍「ありがとうな…鈴仙」 鈴仙「ぃ、いえ…////」 翔龍「(ん?…眼の下に隈が…) なあ、鈴仙?」 鈴仙「は、はひ、ひゃい!////」 顔を真っ赤にした鈴仙はたどたどしく答える。 ・
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