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翔龍「鈴仙、お前は俺が眠っている間寝る間も惜しんでずっと看病してくれたんだろう?」
鈴仙「は、はい……い、一応…そうです、けど////」
翔龍「だったら、鈴仙…お前も命の恩人だ。ありがとう」
ギュウ…
鈴仙「うひゃう!?しょ、翔龍さん…何を?/////」
翔龍はそう言うと腕を鈴仙の背にまわし、そっと抱きしめた。
鈴仙「あぅ……////」
鈴仙が真っ赤になって俯いていると
??「ウドンゲー、入るわよ?」
鈴仙「し、師匠!?ちょっ、待っ…!」
スー…
襖が開き、入ってきたその女性は、長い銀色の髪、赤と青で色分けされた特徴的な服を着ていた。
今の状況に口をポカーンと開け、驚いてはいたが。
そして一言。
??「…お邪魔だったかしら?」
鈴仙に師匠と呼ばれた女性はそう言うと部屋から出ていこうした。
鈴仙「し、師匠ぉ~…、違っ、ちょっと、待ってください!!////」
翔龍「(あれが、鈴仙の師匠か…)」
慌てふためく鈴仙に対し、翔龍はこの上なく冷静だったが。
??「…ふぅ…ウドンゲ、何かしら?」
頬に手を当て、やれやれといった感じでため息をつく。
鈴仙「えっと、あの…!////」
翔龍「ん…あぁ、すまない」
翔龍はもぞもぞする鈴仙を抑えている腕を、そっとほどいた。
鈴仙「あっ……」
鈴仙は腕をほどかれた時に小さく、名残惜しげに声を発したが…。
??「全く…ウドンゲ、どうしたの?」
そういう鈴仙の師匠の、銀の髪をフワリと揺らし、首を傾げ、顎に手を当てクスリと微笑む姿はこの上なく様になっていた。
鈴仙「え…えっと……あっ…あのっ…!
ゆ、夕食の準備してきますね!そ、それでは!!////」
ザー、ピシャン!ドタドタドタ…
鈴仙は顔を真っ赤にしてそう言うと、襖を素早く開け、あっという間に出ていってしまった。
翔龍「ん…?」
??「あら…?」
鈴仙が出ていき、部屋に静寂が舞い降りた。
双方とも、黙ったまま。
先に沈黙を破ったのは、
どちらでもなかったが。
「あはは~鈴仙顔真っ赤~♪」
「何があったの~?」
「「…ふふっ…」」
外のちょっとした騒ぎに二人の緊張がほぐれたのか、二人は顔を見合わせ、少し笑っていた。
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