~第二章~ …月の映える夜空の下で

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??「ふふ…さて、自己紹介といきましょうか」     翔龍「あぁ、俺は 天羽翔龍 だ。貴女は?」 翔龍は右手をゆっくり持ち上げ、差し出す。 ??「私は 『八意永琳』(やごころえいりん)よ。宜しくね。」 永琳は翔龍の手を握りながら、この永遠亭で薬師をしているわ、とつけ加えた。 翔龍は不意に手を離し、永琳に頭を下げた。 翔龍「感謝する。貴女がいなければ、俺は今此処に居なかったかもしれん…迷惑をかけたな…」 その感謝と謝罪の言葉に永琳は、少々の威厳を混ぜてこたえる。 永琳「頭をあげなさい、翔龍。」 翔龍「………。」 その言葉に、翔龍は頭をゆっくりあげた。 ピシッ! 翔龍「……つっ…」 頭をあげ、永琳を見ようとした時、翔龍の額を永琳のデコピンが襲った。 しかし、それほど強くやった訳でもないようで、翔龍は痛みと言うより驚きの方が大きく、今は額を抑え、怪訝な表情で永琳を見ている。 対する永琳は頭に手を当て、少し呆れたような怒ったような顔をしている。 永琳「はぁ…全く、迷惑だなんて考えなくていいのよ。だって翔龍、貴方はもう… 幻想郷の…家族なんだから。」   翔龍「……家族…?」 翔龍は信じられないといった表情で永琳を見る。 永琳は翔龍の瞳を見つめ、ハッキリと、その言葉を紡ぐ。 永琳「…えぇ、『家族』よ。」 翔龍「………。」 それを聞き、翔龍は俯く。 すると永琳は、身を乗りだし 静かに、柔らかく、翔龍を抱き締めた。 永琳「翔龍?貴方はもう、幻想郷の人間なの。 拒絶されるのが怖いかもしれない… 此処でも一人になってしまうかもしれない… そんな不安、持ってないかしら? 少なくとも、私には貴方の瞳に『それ』を感じたわ。」 翔龍「……っ…!!」 図星なのか、翔龍の手に爪が食い込む。握り過ぎて、手が真っ白になっていた。 キュ…! 永琳は左手を背から離し、翔龍の右手をゆっくりほどき、弱く、しかし強く、指を絡めた。 ・
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