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翔龍「…此処が会場か」
縁側に出ると、大量の料理や酒がところ狭しと並べられ、兎達が未だに忙しなく動いていた。
翔龍「準備は終わったのではなかったのか…?」
??「それならたった今終わったよ」
翔龍「!誰だ…」
下からの声に反応し下を向くと、頭から二本の長い角が生え、長い髪を腰あたりで一つに纏め、紫色の瓢箪を片手に持った少女が胡座をかいて縁側に座っていた。
翔龍「お前は……鬼か?」
??「まあまあ、そんなに警戒しない。ほら、隣どう?」
その言葉に頷き、翔龍はゆっくりと少女の隣に腰掛けた。
翔龍「お前、名は?」
??「ん~?伊吹萃香 だよ。ゴクッ…ゴクッ…ぷは~♪」
萃香はそう言って瓢箪を傾け一気に酒を飲む。
萃香「種族はお察しの通り鬼だよ。ん~飲むかい?というか…飲め♪」
翔龍「んっ!?むぐ…んぐっ……ぐはっ!…げほごほっ…」
萃香は突然立ち上がり、翔龍に無理矢理酒を飲ました。
萃香「この宴会は霊夢達三人とあなたの快復祝い、それにあなたの歓迎会も兼ねてるからね~」
翔龍「そ…そうか…」
萃香「うん。それで主役でもあるあなたが居ないと始まらないってこと。
んっ…んく……ぷは~…」
瓢箪から酒を飲みながら萃香は再び縁側へと腰をおろした。
翔龍「むっ……」
ぐびぐびと酒を飲む萃香を見て、翔龍はふっ、と視線を反らした。
それを不審に思ったのか、萃香は首を傾げ翔龍に問いかける。
萃香「ん?どしたの?まさか今ので酔ったの?」
その言葉に、翔龍は困ったような顔をして
翔龍「…すまん。怒るなよ?」
自らの唇をツンツン、とつついた。
萃香「へ…?
……っ!!////」
萃香は、はっと気付き、自らの唇をおさえ、顔を赤らめ俯いてしまった。
翔龍「あー…大丈夫か…?」
そう言って、翔龍は俯く萃香の肩に『触れた』。
萃香「ぅひゃう!!?」
翔龍「なっ…!?」
ビクッ!!
驚いたのか、萃香は跳び跳ねる。
そして萃香は驚き、跳び上がった拍子に、思い切り踵を縁にぶつけてしまった。
萃香「み゛っ…!!?」
そして萃香は不安定な体制のまま、床に倒れた
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