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…りすることはなく、
翔龍「っと!?大丈夫か?」
翔龍の腕の中におさまっていた。
萃香「~~~~っ!!!!???/////」
萃香は自分の状況を理解し、顔をまるで林檎のように真っ赤に染めた。
翔龍「立てるか?」
腕をほどき、ゆっくりと離れる翔龍が真っ赤になっている萃香に問いかける。
萃香「…ぅ……ぁ…////」
ただ俯いて小さく声を漏らす萃香を見て、翔龍は、すすすっ、と体を萃香の方へ寄せる。
翔龍「伊吹…?」
その呼ばれ方に萃香は少し正気を取り戻したのか、ちょっとムッとして答える。
萃香「萃香でいい…。……責任…ぅ~…ボソ/////」
翔龍「…?…あぁ…萃香、ところで、そろそろ行かないか?」
すくっと立ち上がり、翔龍は縁側から地面に降り立った。
そして片膝を地面につき、萃香に手を伸ばして言う。
翔龍「案内してくれないか…萃香?」
その姿は、さながら姫に仕える騎士(ナイト)のようで。
萃香「へっ…!?
ぅ、ぅん!まっかせろ~…/////」
萃香が翔龍の手を取り、ゆっくりと歩き出す頃には、もう兎達の往来は止まっていた。
二人の頬にほんのりと朱がさしていたのは酒のせいか、もしくは…。
鈴仙「な、長らくお待たせしました。それではこれより宴を始めたいと思います」
翔龍と萃香が着いたのを見計らったように、鈴仙は宴会の開始を告げた。
萃香「りゅ、龍~。ほら、お酒…////」
すると萃香が、まだ赤い顔で酒が注がれた盃を二杯持ってきて、その片方を翔龍へ渡した。
翔龍「酒か…
そういえば萃香。龍…?」
萃香「ぅ、ぅん……そ…そそ、そっちの方がいいでしょ!?うん、決まり!!!//////」
萃香は湯気が出そうな程顔を真っ赤にしながら、早口でまくし立てた。
翔龍「……あぁ、好きに呼んでくれ、萃香」
ポスッ…
翔龍が盃を片手に萃香の頭をわしゃわしゃと撫でた。
萃香「ぅ~……////」
萃香が悶えている時、再び鈴仙の声が会場に響いた。
鈴仙「えー、皆さんお酒は行き渡りましたか?それでは…」
翔龍「ほら、萃香…」
萃香「へ…?
…ぅ、ぅん…!」
「「「「「乾杯!!!」」」」」
そうして、宴は始まった。
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