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「わかったわ。その男を…倒しましょう」
そう言うと、二人の瞳に歓喜の色が混じる。だが霊夢は…
「そうはしゃがないの。まず、あんたたちは傷を治しなさい。…そうね、明後日…ここ、博麗神社に集合ね」
極めて冷静だった。
~二日後~
朝、三人は博麗神社に集まっていた。
今にも森に入っていきそうな魔理沙を押さえながら、霊夢は静かに言う。
「良い?決して一人で闘おうとしないこと。これだけは守って?」
アリスは「えぇ、勿論」と頷いたが、魔理沙は最後まで渋り、結局は説得され、頷いた。
「それじゃあ、三方向に別れて行くわよ…」
…静寂。風が吹き、木々の葉擦れが聞こえる。
そして、数瞬後…三人はそれぞれ別方向に飛び立って行った。
――
――――…
―――――――……
ビュウ…
と風が吹く。
――――…
ゴゥ…
風は勢いを増す。
…木の葉が散る。
…木々が震える。
雲が押し寄せて来た。
また…雨が降る。
風はその身を嵐とし、天より滴る水は勢いを増していく。
――――…
――――――……今日は嵐。
――――…森の最奥で、男が呟く。
「来たか……奴らを殺し、オレは自由になる…!」
男は…目を血走らせ、狂ったように笑顔を浮かべていた。
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