508人が本棚に入れています
本棚に追加
翔龍「…別に、なんでもない…気にするな」
輝夜「ん?えぇ…」
輝夜は訝しげに首を傾げたが、頷いた。
そして輝夜は、何か思い付いたようにニコリと笑う。
輝夜「ね、翔龍?…ん~♪」
翔龍「………」
ビシッ!
輝夜「っ~…」
唇をつきだした輝夜に、再びデコピンが命中する。
翔龍「全く…さっきも言っただろう……それに、そういうことは本当に好きな奴とするものだぞ…」
輝夜「…わ、私は…その…しょ、翔…龍…が……あぁ、もう!良いから!!//////」
顔を真っ赤に染めて輝夜は言う。
翔龍「だから、な…」
…このやり取りは、何度か続いたそうな…。
そんな二人を見つめる鈴仙と、因幡達を束ねる白兎、因幡てゐ。
てゐ「ほら鈴仙、こっちこっち」
鈴仙「な、何話してるの…?」
鈴仙は、不安半分、不満半分でてゐに問いかける。
しかしてゐはニヤニヤと笑いながら鈴仙に言う。
てゐ「さぁ?もっと近くに行ってみれば良いじゃない♪…あっ!!?」
なおも笑っていたてゐだったが、前を向いた瞬間、恐らく本気で驚いた声をあげた。
鈴仙「な…に……
…えっ?」
二人が見たのは、遠目からでも分かる程顔を赤く染めて唇をだす輝夜と…
盛大なため息を吐きながら諦めたように輝夜の肩に手を置く翔龍の姿だった。
そして…二人の頭は重なった。
鈴仙「えっ、あっ…嘘…!あぁ…!」
鈴仙は目の前の光景も因幡達の歓声も見も聞きたくもないという風に、固く目と閉じ、耳をふさいだ。
てゐ「わぁ…へぇ……ぅわ~…//////」
てゐは二人を見ながら頬を朱に染め、興味津々に見続けている。
そして不意に、輝夜は翔龍にもたれかかるように、ぺたんと力無く座る。
それを境に因幡達の歓声は最も大きくなる。
鈴仙「ぅ…あぁ~…」
まさに絶望したという顔の鈴仙に、てゐの慌てた声が響く。
てゐ「ぁ、わわっ!?れ、れれれ鈴仙、こっち来たよ!!」
鈴仙「えっ!?」
翔龍「鈴仙か、やっと見つけた。
ん?お前は…まぁ良い、一緒に来い」
二人が反応する間もなく、翔龍が目の前に現れた。しかし、来るやいなや二人の手を握り、歩き出した。
鈴仙「えっ、ちょっ、翔龍さん!?」
てゐ「ま、待ってったら!!」
・
最初のコメントを投稿しよう!