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…ザッ…ザッ…ザッ…
草を踏み鳴らす音が森に響く。
その、魔法使いの出で立ちをした少女は注意深く森を歩いていた。
「確か…前はこの辺で…」
魔理沙が探しているものは、一昨日自分達とあの謎の男が戦った場所だった。
そして、その痕跡を見つけたのか、魔理沙の体に緊張が走る。
魔理沙は周囲を用心深く見渡しながら、徐々に、徐々に奥へと進んで行った。
なぎ倒され、所々が焦げて横たわっている木。
地表に空いた大小様々な穴。
立っていたとしても、大量の切り裂かれた跡が残る木。
周りに横たわるは、自分達のせいで死んでいった、魔物といえども無関係な動物達。
魔理沙は思う。このままではいけないと…
なんとかしなくてはいけない、と…
そう、強く決意した。
だが、実際のところ魔理沙は霊夢やアリスに頼る気はなかった。
一昨日霊夢にはああ頼んでしまったが、あの時二人は油断していた。
今ならあの男に
勝てるのではないか
そう、思っていた。
魔理沙が考えにふけっていると、何かの気配を感じとり、意識を現実へと呼び戻す。
魔理沙は息を大きく吸い…
「誰だ!!」
そう叫んだ。
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