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魔理沙が宣言した瞬間、色鮮やかな巨大なレーザーが発射された。
ただ純粋で巨大な魔力の放出。
「ぐっ…!?…ぉおおおおおおっ!!」
男は避けきれず、そのまま虹色の光に飲み込まれた。
「ふぅ、終わり…か?」
魔理沙が誰にでもなく呟く。
だが少しすると、森に変化が訪れはじめた。
まるで鏡のようだった水面は波立ち、
空は一気に暗くなり、雨が降り始め、
勢いを増した風は草花を舞い上がらせ、森の中を駆け抜けた。
「なっ…!なんだ!?」
魔理沙は急激な変化についていけず、狼狽えている。
…ヒュン!!
不意に、風を切るかのような音がした。
「くっ!なんなんだ!?」
魔理沙は苛立ったように振り返り、その正体がなんなのか理解した。
真っ黒な矢が、木の幹を貫いていた。
そして魔理沙は気づいた。
否、気付かさるを得なかった。
先程から吹き始めた風が、再び急激に止んできていることに。
振り返ったまま、魔理沙は悔しそうに言う。
「…そこにいるんだろ?」
魔理沙がそう言うと、木の影からあの男が出てきた。
「……あぁ」
そして魔理沙は…ゆっくりと
男と向きあった。
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