2896人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぁ~~!!」
――ドスッ
「痛っ!!」
滞空時間は長かったんだが、落ちた時の衝撃は余りなかった。
少し尻痛いが。
状況を確認するため辺りを見回すと辺り一面木だらけ。
とりあえず歩くか。
しばらく森の中を歩いていると
「キャーーーー!!」
少し離れた所から声が聞こえた。
「こっちから叫び声が!!急ぐか」
走った。有り得ないスピードで
「速っ!! 何故だ?しかも身体が軽い。まぁいいかそれよりも」
叫び声のするほうへ走った。
そこには2メートルぐらいの鬼みたいなのがいた。
手には太い棒をもっている。
完全なファンタジックな世界に来てしまったようだ。
体が軽いのは重力が関係していると考えるのが当たり前か。
その棒が女の子に向かって振り落とそうとしている。
「なんじゃあれ……それより女の子が危ないな 助けるか」
俺は鬼に向かって走り出し、右ストレートをかます。
――ドーンッ
派手な音と共に鬼は吹っ飛んだ。
「大丈夫か?」
見た目からして百キロは越えている鬼を吹っ飛ばしてしまった俺。
異常な自分の腕力を不思議に思いながら尻餅を着いている女に声を掛けた。
「あ、ありがとうこざいます」
吹っ飛んだ鬼の方を見ていた女は慌てて俺に礼を言う。
「じゃちょっと下がっててくれ」
「はい!」
素直に俺の言葉を聞き、女は後ろに下がった。
そして俺は鬼に向かって走る。
最初のコメントを投稿しよう!