第1章

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でも別れは早かった 俺たちが出会ったのは 文化祭のあった10月 俺は3月で卒業だ 「なあーセリナ」 「んー?」 「お前卒業したらどうすんの?」 「分かんないけどこっちで就職かなあ~」 「そっか…」 「拓真はどうするの?」 「……んーどうしよっかなあ」 本当はもう決まってた 上京してミュージックスクールに 行くつもりだった …多分、遠距離恋愛は無理だ 俺だって夢に専念したいし それに…セリナはモテるし ちゃんと言わなきゃ でも言えない …いや、言おう 「あのさ…」 「んー?」 「俺卒業したら東京のミュージックスクール行くつもりなんだわ…」 「え……………」 セリナの顔は驚きと戸惑いの 表情を浮かべていた 「……そうだよね、拓真…三年生なんだもんね…」 それからお互い 卒業の話をすることはなくなった _
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