15人が本棚に入れています
本棚に追加
「馬鹿よ。もしくは変態」
「俺は変態だが、紳士的だ」
「認めてんじゃないわよ!」
「まったく、ギャーギャーとうるさい奴だ。先ほどまで大粒涙流して泣いてたクセに」
エリアスは肩をあげてやれやれと言うかのようにため息をついた。
「まぁいい。ところでお嬢さん。お名前は?」
エリアスが今までとは打って変わった柔らかい物腰で訪ねる。
「なによ急に……。リッカ。リグレント・リイン・リッカ」
「リが多くてよくわからない名前だな。リリリッカとでも呼ぶとしよう」
「普通に呼びなさいよ!」
「ふむ。じゃあリッカと呼ぶとしよう」
エリアスがそう言うと、リッカは満足げに頷いた。
「そういえば、なんで助けてくれたの?」
リッカが思い出したようにそう言う。
「偶然だ」
「偶然?」
「ああ。適当に歩いていたら岩があって、そこに偶然グリズリーマザーがいた。それが邪魔だっただけだ」
エリアスはつまらなさそうに欠伸をする。
リッカはそれを、ポカンとした顔で聞いていた。
最初のコメントを投稿しよう!