出会い

8/10
前へ
/19ページ
次へ
「馬鹿よ。もしくは変態」 「俺は変態だが、紳士的だ」 「認めてんじゃないわよ!」 「まったく、ギャーギャーとうるさい奴だ。先ほどまで大粒涙流して泣いてたクセに」  エリアスは肩をあげてやれやれと言うかのようにため息をついた。 「まぁいい。ところでお嬢さん。お名前は?」  エリアスが今までとは打って変わった柔らかい物腰で訪ねる。 「なによ急に……。リッカ。リグレント・リイン・リッカ」 「リが多くてよくわからない名前だな。リリリッカとでも呼ぶとしよう」 「普通に呼びなさいよ!」 「ふむ。じゃあリッカと呼ぶとしよう」  エリアスがそう言うと、リッカは満足げに頷いた。 「そういえば、なんで助けてくれたの?」  リッカが思い出したようにそう言う。 「偶然だ」 「偶然?」 「ああ。適当に歩いていたら岩があって、そこに偶然グリズリーマザーがいた。それが邪魔だっただけだ」  エリアスはつまらなさそうに欠伸をする。  リッカはそれを、ポカンとした顔で聞いていた。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加