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父はよく暴力を振るう人だった。
酔っては暴れる。
私や弟の身体には複数のタバコの痕。
幼かった私の記憶にあるのは無邪気に笑う兄弟。
そんな光景を眉間にシワをよせながら見つめる父。
弟が声を出して笑った瞬間吸っていたタバコを持って近寄ってくる父。
気が付くと小さいからだに残るタバコの痕と激しい激痛と恐怖。
泣くことは許されない。
泣いてもタバコの痕が増えるだけだって事は痛いほど解っていた。
母はそんな現実から逃れるように酒に浸った。
弟の広大はまだ3歳だった。
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