最低女でも構わない

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「ハァ…ハァ…」 荒い息の裕太 「ハァ…ハァ…んっ」 自然と私も息が上がってる そんな私と裕太の視線が絡み合うと裕太はゆっくりと深いキスを私に落とした そんな行為の余韻に浸っている時だった 「裕太…」 震える私とは違う女の声が寝室に響いた 裕太はばっと後ろにあるドアの方を向いた 「愛…子…」 裕太の顔が一気に熱を失っていくのが分かった 佇んでこちらを呆然と見る愛子は訳が分からないといった表情 自分の彼氏が他の女とやっている しかも、その女は自分が馬鹿にした女 愛子の顔は次第に怒りで歪んでいく 「裕太…あずさ。どういうこと?」 裕太はゆっくりと私の上から退いた 私は露わになった体を隠すように毛布を掴んだ 「……」 沈黙が私達を包む この緊張感が私には堪らない 「あずさ。アンタ、人の彼氏に手を出してんの?」 沈黙に耐えられなくなった愛子が叫ぶように言ったがその声は震えていて迫力なんかない 「違う!愛子。あずさは悪くない」 裕太が焦って否定する そんな裕太の言葉に愛子の怒りのゲージは上がっていく 「あずさ!アンタ!」 愛子の怒りは完全に浮気相手である私に向けられた 「許さない!」 愛子はその大きい体を揺さぶりながら私にズカズカと近付いてきた
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