最低女でも構わない

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雪乃は変な子 雪乃の容姿も性格も完璧な美女なんだけど私は雪乃を変な子だと思う だって、私みたいな女の親友やってるのよ? 私が言うのも何だけどそれでいいのかって思うし友達選んだら?って聞きたくなる 「気が向いたらね」 私がそっけなく答えてるのに嬉しそうな顔をする雪乃 「楽しみだわ」 笑顔の雪乃を見ながら何がそんなに楽しいのか面白いのか分からないまま私は運ばれて来た食事を口にすることにした 「そういえば…」 私も雪乃も食事に夢中になった頃、雪乃がおもむろに口を開いた 「今度、私の家に来てよ」 「どうしたのよ?」 「そろそろ紹介しようと思ってたの」 雪乃の口振りに疑問を感じながらも私は対して突っ込む事もせずにただ頷いた そんな私に雪乃は満足したように笑い、また目の前の食事に集中した それから私と雪乃は終始無言で黙々と昼食を食べ、そのまま少し談笑した後、私達はファミレスを出た 「じゃぁ、頑張ってね。報告、楽しみにしてる」 雪乃はそう言い残し、何処かへ消えていった 私はそれを見送るとそのまま近くのスーパーに寄って食材を買った (…ちょっと買いすぎたかな) 両手に持つビニール袋を見ながらここまで本格的にしなくてもくてもよかったかもと後悔する そうやって裕太のアパートの前まで来ると背後に人の気配を感じて振り向く すると、そこにはまだ五時にもなっていないのに帰ってきた裕太の姿があった これには私も驚いて目を開いた 「早かったね」 私が驚きながも笑顔で言うと裕太も笑顔で私の重たい荷物を持ちながらいった 「うん。あずが気になって。それより、これ結構重いな。一体、何作るの?」 「秘密。楽しみにしててね」 そう言いながら鍵を開けて裕太の部屋の中に入る
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